雨の日に聴きたい曲(12) 雨やどり
さだまさし「雨やどり」
私が最も敬愛するアーティストです。
さだまさしは凄まじいよ。
クラシック音楽のような美しいメロディ。
ドラマチックすぎてあり得ないストーリーなのに、それを日常の出来事を切り取った写真のように見せるストーリーテリングの巧みさ。
言葉の美しさ。
MCの面白さと長さ。
どれを取っても、日本のアーティストの中で最高峰です。
そして、この曲にはその全てが詰まっています。
貼り付けたYouTubeの映像は、さらに凄い。曲の途中で急にMCが始まる。
でも本当に、さだまさしのライブではこれも日常風景なのです。
確かにこの曲は落語みたい。
軽妙な語り口、ちょくちょく挟まれるユーモア、美しいリズムとメロディ、そして最後のオチ。
まるで一つの人情落語を観たような感覚。
さだまさしは音楽で落語が出来る稀有な存在なのかもしれません。
この曲は、妹の佐田玲子をモデルにした、妹の結婚シリーズの最初の曲です。
他には有名な「親父の一番長い日」、
「秋桜」、これと別視点曲の「秋の虹」、
「関白宣言」「関白失脚」などがあるわけです。
妹が結婚することで、親父は怒り、母は寂しがり、結婚相手は失脚し、兄は作品のネタにしてやろうとワクワクしながら見ていたわけですが。
妹は一度も結婚していません。
マジか。
何なら世間はみんな騙されて、
妹は既婚者扱いされてしまう。
その間にさだまさし本人はしれっと結婚している。
妹だけにしわ寄せが行っているような…
まぁ、あれです。
それは全て、さだまさしのアーティストとしての力が凄すぎる故なのです。
だから、まぁ。