6月のプレイリスト「雨の美しさに触れるリスト」
6月に1日1曲を紹介していた「雨の日に聴きたい曲」。そのまとめとして、プレイリストを作ります。
諸事情により最後まで更新することが出来なかったのですが、雨の曲は、あと1ヶ月あっても紹介できないくらいにたくさんあります。
例えば、
梅雨の後の夏を待ちわびてみたり、
腫れ上がった空に鮮やかな虹を期待してみたり。
雨が降ったときに何を考えるかは様々ですが、雨は決して嫌なばかりのものではありません。
雨は美しい。
せっかくの長雨の時期、その美しさを実感できる曲を選んだプレイリストです。
【プレイリスト作成時のルール】
1. プレイリストはCDアルバムの一般的な曲数、10曲とする。
2. 同一アーティストの曲を複数入れない。
3. Spotifyに存在する曲のみを使用。
1. 「ばらの花」くるり
6月の記事で紹介済。
プレイリストの始まりは、この強いイントロが良いかと思うのです。
一気に雨の降る湿度の高い夏へと引き込んでくれる曲。
2.「雨とカプチーノ」ヨルシカ
ハスキーの混じった女性ボーカルが好みなのです。
suisさんのボーカルって、独特の存在感があってとても不思議。何物にも絶対に混ざり合わない自我境界の強さみたいなものを感じます。
バックバンドがどんなに大きくても彼女の声は抜けてくるし、何より、作品の世界観を遠く離れた場所から眺めているようで。
作品の再生機構に徹していて、自分という個体を作品の中に決して出さない。
画家みたいなアーティストだな、と。そんな感覚を受けます。
3.「雨は毛布のように」キリンジ
6月の記事で紹介済。
時には雨の中で濡れたくなります。
4. 「サボテン」ポルノグラフィティ
6月の記事で紹介済。
5. 「極楽寺ハートブレイク」ASIAN KUNG-FU GENERATION
晴れていても良いけれど、やはりあじさいは雨が降っていてこそです。
梅雨は初夏から夏本番への移り変わりの季節。
この短い雨がやんだら、次に来る季節はエネルギーに満ち溢れている。
この曲は別れを描いているのにめちゃくちゃ明るいのですが、
線路というボーダーラインを挟んで握手している二人、
『サヨナラは来るのです』
ボーダーラインは振り返ればスタートラインであり、多分目の前には美しいあじさいや海が見えている。
エネルギーに満ち溢れた、スタートの曲のように見えます。
アジカンには良い雨の曲が多くありますが、
この曲がとても好きです。
6. 「ペトリコール」GOOD ON THE REEL
ペトリコールとは、降りはじめの雨の匂い。
大人になってしまうと、雨なんて無駄なものでしかなくて、雨が運んでくる様々な美しいものに気づかなくなってしまう。
例えばアスファルトが弾けたような透明な夏の香り。雨が降り始めた瞬間に空気中へ満ちていくエネルギー。
それは暖かくて、何故か優しい。
7. 「Rain」秦基博
秦基博が歌う名曲カバーの凄さがよく分かる曲です。
彼にとって、カバーはフルコピーではない。
その世界を自分で見て、感じて、自分にとってあるべき姿として作り出す再構築作業なのです。
この曲は大江千里のカバーですが、大江千里バージョンとは違う心情が見えてきます。
言うなれば、秦基博バージョンのほうは過去の別れを美しいものとして懐かしむ曲であり、
大江千里バージョンは、まさに今失いかけている大切なものへと必死で手を伸ばす、自分の全てを懸ける熱量をもった曲です。
どちらが良いというわけではないのですが、
もしかすると、秦基博は、昔、この曲が好きだったのかも、と思います。
好きだった頃の記憶を懐かしむような、そんな感覚なのかもしれません。
だから、考えて出てきた再構築というよりも、秦基博自身の中にあったRainは元々こうだったのかも。
オリジナルとは違う、一人のアーティストが人生をかけて作った世界。
そんな重みを感じるのです。
8. 「雨音」Plastic Tree
窓を打つやわらかな雨と、それを眺める心の移り変わり。
梅雨の優しい雨と感情の強さ、その対比が凄い。手持ち無沙汰だから考えてしまうってこと、よくあるよね。
この曲のドラムがとても好きです。熱量の移り変わりをスケッチしているようで。
9. 「雨」羊文学
6月の記事で紹介済。
豪雨の中で踊れたら、きっと凄く楽しい。
10. 「新しいYES」Salyu
6月の記事で紹介済。
雨は、それ自体が世界を塗り替えてくれる。
新しい世界、新しい希望なんて、そこら中に転がっている。あとはそれに気づくかどうかだけ。