夏の夜に聴きたい曲(2) 7月7日、晴れ
七夕の日にはこの曲を聴きたくなります。
小学校とか中学校の頃、放送委員が給食の時間に自分の好きな曲をかける『お昼の放送』なるものがあって、この時期になると毎年のようにかかっていたような。
誰もが考えつく、ベタな七夕の曲。
だけど、七夕の曲って実は珍しくて。
星空をテーマにした曲は数あれど、七夕をテーマにした曲ってほとんど知りません。
学生の頃ならまだしも、働き始めると気づいたら終わっている地味イベント。
そんな珍しいテーマの曲ですが、構成もまた独特。
従来型のJ-popでは、Aメロ→Bメロ→サビを繰り返し、時々Cメロを挟んだりするのが一般的ですが、
この曲では、ずっとAメロBメロの繰り返し。
唯一の展開である、
あなたも今頃
私と同じ気持ちで
この空を見てると
にしたって、手放しに盛り上がる場面ではなくて、それは自分の都合の良い妄想だってどこかで冷めて見ているようで。
サビにあたるドラマチックな部分は無いし、願っては諦める繰り返しのようにAメロBメロはループするし。
何度も出てくる『奇跡』って言葉とは裏腹に、自分はその奇跡を心からは信じていないように見えるんですよね。
ただ七夕っていう、願い事を天に祈るイベントがあるから、だから願ってみよう。そんな感じ。
そういえば、この曲は、同名の映画の主題歌でした。
実際に奇跡が起こるのかどうかは…
祈り続けた人にしか分からないよね。
奇跡は起きなくても
空のふたりが会える今夜だけ
一瞬でいい
ところで、七夕って、本当に晴れないといけないんですかね。
関東に住んでいる自分には、七夕って雨だったイメージしかないのですけれど。
織姫と彦星の視点からすると、
地上で雨が降っていたって、だいぶ下の方で何か降ってる、くらいの感じでしかなくて。
自分たちには何ら関係がない。
むしろ、年に一度の逢瀬を見られたくないからって引かれたカーテンの可能性さえあるような。
彼らにとっては、七夕は地味イベントであるくらいがちょうど良いのかも。
七夕に空を見上げるのも良いけれど、
それよりも、自分の願い事を見つめたほうが良いのかもしれない。
むしろ、この曲のAメロBメロの繰り返しっていうのは、願いを叶えるためにあるべき姿なのかも。
空にドラマチックな展開を期待するのではなくて、ただ願い続けること。
奇跡は起きなくても。