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夏の夜に聴きたい曲(8) Deep Impact

Dragon Ash feat. ラッパ我リヤDeep Impact

 

 

夏の夜の狂想。

Dragon Ashがまだヒップホップの第一人者をやっていた頃の曲です。

正直なところ、あの時期のkj周りのゴタゴタはね。

ヒップホップの思想とは真逆の方向に走っててカッコ悪い感が半端じゃなかったけれど。

だけど、周囲の誰にでも噛みつくのがラッパーだと言うならば、それもまた正しい。

真面目すぎるkjは相性が良くなかったんだな。

 

色々と面倒な話がありつつも、この「Deep Impact」の楽曲のクオリティは凄い。

形が整ってて綺麗なkjのラップ、

粗暴で力強いQのラップ、

癖のある声で言葉を詰め込みまくる山田マンのラップ、

三者三様の個性が変わるがわる爆発している。

 

ベースの唸るような重低音も相まって、本当に、強烈なインパクトをもって爆発してるんですよね。

暴力的なまでに強烈なサウンド

 

日本を変える真の音楽と

お前の鼓膜直接contact

心に響く凄まじい爆発音

いよいよ壁は無くなるぞ

 

っていう大風呂敷を掲げた歌詞が、

違和感なくスムーズに受け入れられる。

3人で壁をどかどか破壊している姿が浮かぶよう。

 

実際、この頃のkjは、壁を破壊しようとしていたように見えるんですよね。

misiaとか宇多田ヒカルが出てきて、R&Bが日本の音楽シーンに受け入れられ始めていた時期。

Dragon Ashがやっていたのは、ヒップホップとロックを融合させて、カノンコードまで持ち出してきた何でもありの音楽。

ラッパーをフィーチャーしてオリコンチャートに載せたりと、アングラなヒップホップを日の当たる場所に持ち上げようとしていたのではないかと思うのです。

結果的に、ラッパー側はアングラであり続けることを望み、Dragon Ashはヒップホップから離れてしまった。

 

私自身は夏フェスで何度もDragon Ashのパフォーマンスを見て触れて、

だからkjのファン的な視線になってしまうのだけれど。

この一連のシーンの動きって、どことなく示唆的。

世界を良くしようと思って変革しようとする、突然入ってきた若者。

長い間頑張ってきて、住み心地を変えられてしまうことを拒否する第一人者たち。

 

どちらが正しいのかは、分からないけれど。