夏の夜に聴きたい曲(19) 地獄でなぜ悪い
何よりもMVが気になりすぎます。
大丈夫かこれ。
と思って調べてみたら、監督の浅野直之さんはドラえもんの映画で総監督をやっているそうで。
新鉄人兵団もやってるのね。
じゃあ大丈夫だな。
本当かな。
星野さんの曲は、鍵盤が入ったりストリングスが入ったりと、リッチで楽しげなアレンジが特徴的ですが、
この曲は、いわば全部入りです。
バイオリンもいるし、金管楽器もいっぱいいるし。
オーケストラアレンジの味付けが濃すぎてギターが聴こえない箇所だらけなのは、まぁこの手の曲にはよくあることです。(偏ったラルクファンの意見)
これ以前は印象があまり強くなかったけれど、この曲はやたらと耳に残った。
何だろう、2013年って、自分の中ではインパクトの強い年だったからかな。
この曲は凄く印象が強くて、そしてMVを見てびびるという…
やっぱり、この曲って、凄く楽しそうなところが良いんです。
楽しそうといえば、一つ前のシングル「ギャグ」も楽しげではあるけれど。
何というか、「地獄でなぜ悪い」は遠慮が無いんですよね。空気を読む必要がなくなった、みたいな。
ギャグの隙間に本当のことを
祈るように隠して
そんな繊細な歌詞を歌っていた人が、
嘘で何が悪いか
目の前を染めて広がる
ただ地獄を進む者が
悲しい記憶に勝つ
突然脇目もふらずに進み始める。
この強さが本当に好きなんですよね。
星野源は著書で、
今まで周りに嫌われたくないってことばかり考えていたけれど、クモ膜下出血で死にかけて、何かそんなことどうでも良くなった
というようなことを書いていました。(うろ覚え)
周りを気にしないで突き進めるって、すごい才能。何よりも芸術の邪魔をされないし。
今の星野さんを見ていると、本当に解放されていて楽しそう。
そのパーソナリティーや決意が最も強く出ている作品で、楽しいだけじゃない、溢れる力強さを感じる曲だと思います。
幾千もの 幾千もの
星のような 雲のような
「どこまでも」がいつの間にか
音を立てて 崩れるさま
日常が壊れること。
それは取りようによっては、決して悪いことではない。より良くなるチャンスだったりもする。
そんなことを思わせてくれます。