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夏の夜に聴きたい曲(23) WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜

H Jungle With tWOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜」

 

 

タイトルが長い。

 

もしかすると、小室哲哉関係の曲の中で最高の名曲かもしれない。

初めて聴いた時から随分男くさい曲だとは思っていましたが、大人になってから聴くと随分と心に染みる曲です。

 

流れる景色を必ず毎晩みている 家に帰ったらひたすら眠るだけだから

ほんのひとときでも 自分がどれだけやったか 窓に映ってる素顔を誉めろ

 

小室哲哉もね…本気を出すとこういう歌詞が書けるんだよね…

 

いや、別にdisっているわけではなくて。

小室さんの歌詞って、装飾に装飾を重ねた、完璧なメイクを施したようなものが多いんですよね。TMNとかtrfとか安室奈美恵とか、だいたいそんな感じ。

あるいは、誰かとの関係性で少しだけ素顔を晒す歌詞。これの代表格は華原朋美

この曲みたいに、素顔の自分を見つめて、そしてその価値を認める曲ってほとんど無い。っていうか思いつかない。

窓に映ってる素顔を誉めろ! ですからね。

 

やはり、あれだけの大きな存在になってしまうと、等身大の自分ってやつを他人に見せられなくなってしまう気がする。

伝説上の偉人みたいな扱いになってしまい、自分を人間として見てもらえなくなるから。

 

全然暇にならずに時代が追いかけてくる

走ることから逃げたくなってる

 

この歌詞を聴いて思い出したのは、

いちばん忙しかった頃の小室哲哉は、しばらく働かずにのんびり過ごしたかったけれど、周りが休ませてくれなかったという話。

自分が仕事をしないことで、自分の周りで仕事をしている人が職を失う可能性があるから。だから働き続けたのだと。

話半分に聞くにしても、そういう面は確かにあるんでしょうね。

まぁ多分、誰にでも似たような感覚はあるかもしれない。

 

この曲の飾らなさは、

小室ファミリーの中でも数少ない男性ボーカルである浜田さんだからこそ引き出せた、小室哲哉の一面なのかもしれない。

そう考えると、H Jungle With tは、小室哲哉が浜田さんに曲提供をしたってだけではない、

相互に刺激を与えあって完成したユニットと言えるのでしょう。

 

 

また、この曲の中盤に入る、松本人志の、

(B・U・S・A・I・K・U)

(H・A・M・A・D・A)

については、昔は無駄そのものの悪ふざけだと感じていましたが、

今聴いてみると、独特の味があります。

これがあるから、かっこいいだけの曲にならず、飾らない日常風景という感覚になれる。

こういう、何にでも茶々を入れてくる友人っていたな、って。

それはある意味で得難いこと。

 

というか、このブサイクハマダの前に無駄に転調が入ってみたり、ドラムパターンが変化してみたり、

この部分だけ本気のラップみたい。

ある意味、この曲の中でいちばんかっこいい部分かもしれない…

 

 

何より凄いのは、

この曲は日本で(ほとんど)唯一売れたジャングル曲なのに、誰も違和感や新しさを感じていないこと。

謡曲にしてはメチャクチャに詰まりまくった譜割りなのに、懐かしい歌謡曲だと認識されてしまう。

そこが小室哲哉の曲作りの凄さだし、浜田さんのしゃべりの力なのでしょう。

 

あと、名前が全く出てこないのに献身的に協力してくれるDJ KOO。

彼もまた、この曲のキーパーソンの一人。もう少し、彼の偉大さを分かってあげてください…

※長くなるので触れませんけれど。