夏の日に聴きたい曲(2) 石の教会
bohemian boodoo「石の教会」(2019年)
インスト曲です。
ジャズの優美さ、疾走感、そして歌謡曲みたいな親しみやすさを全て兼ね備えた凄い曲。
bohemian boodoo、ジャンルは何になるのだろう。「インストバンド」なのかな。
ジャズに位置づけられることの多い彼らは、確かにジャズ的な手法をよく使う。
特にドラムの山本さんのテクニックなんてジャズそのもの。
だけど、ジャズというには、視界がだいぶ広いんですよね。
(ジャズの世界は詳しくないけれど、ジャズの視界って、バンド内部を指向しているイメージ)
4人の音だけを使うフュージョンバンド、ってのがいちばんしっくり来るのかな。
フュージョンって古いイメージしかないけど。
この曲、実は2種類あって。
2017年のアルバム「echos」に収録された同名曲をブラッシュアップしたのが2019年の「MOMENTS」版です。
上に載せた動画は「MOMENTS」版。
前者は山の中にある教会のイメージ。振り向いてみると、鍵の切れ端から遠く海が見えるような。
徐々に盛り上がっていくアレンジに引き込まれます。
後者は、海のそばにある教会のイメージ。最初から海が近くに見えている。
最初から勢いが凄い分、海のイメージがはっきりと伝わる。
よりインパクトが強いのはこっちかな。
夏の暑さ、吹き抜ける風。
美しい夏の風景が手に触れるよう。
決して音数が多い曲ではないのですが、シンプルであるが故に引き込まれる曲です。想像力で聞く曲だと感じました。
特に、ドラムの山本さんの音が本当に凄い。
MVを見ると分かるとおり、教科書に書いてある最低限の最低限ってセットなのですが、
これだけで、信じられないくらい奥深い世界を表現するのです。
これは間違いなくジャズのテクニック。
こういう、シンプルでも美しい、記憶に残るドラムを叩いてみたいものです。