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過ぎゆく季節を惜しむ曲(6) The Fourth Avenue café

L'Arc〜en〜Ciel「The Fourth Avenue café」

 

 

るろうに剣心」のエンディングテーマ。

前ドラマーのsakuraが色々あって脱退してしまい、4週間しか流れなかった幻のエンディングという形で有名になってしまったのですけれど。

 

sakuraの脱退をきっかけに、ラルクの音楽性は大きな転換を遂げました。

力強いsakuraのドラムを地面としてその上で飛び回るhydeの美しいボーカル、といった歌謡ロックから、

しなやかなyukihiroのドラムが様々な重力を生み出し、その上に他の3人が描く新しい世界、といった音楽へ。

どちらが好きかは、まぁ人によって違うでしょうけれど。

 

イントロから雰囲気が違いますからね。

あのオープンハイハット連打とか、今のラルクでは多分やらないだろうな。

だけど、この曲に関しては、sakuraの力強いドラムがよく効いています。

 

近年のラルクはバンドサウンドにストリングスとキーボードを加えたリッチな味付けの曲が多く、特にストリングスとyukihiroさんのドラムの絡まり方が美しいのですけれど。

この曲には鍵盤とか金管楽器が入って、さながらビッグバンドの雰囲気。

特に金管楽器スカパラが演奏していて、凄い存在感を放っています。

この中にフィットするのは、精緻なyukihiroさんのドラムよりもむしろ、強烈にビートを刻むsakuraのドラムだと思うんですよね。

 

結果的に、全員がお祭り騒ぎみたいに騒ぐ、それこそニューヨークのブロードウェイみたいな空気感が漂う曲になっています。

別れの歌でこのテンション。

でも何となく分かる気がする。

あまりにも辛い出来事があった時って、一人で引きこもるよりもむしろ、雑踏の中に紛れてしまいたくなる。

例えば、あの人といつも一緒に来ていたカフェに行ってみたりとか。

 

sakura在籍時の最高傑作だと思っています。

 

 

それにしても、この曲は。

季節は穏やかに終わりを告げたね

彩られた記憶に寄せて

さよなら 愛をくれたあの人は

この瞳に揺らめいていた

 

全くの偶然ですけれど、

今となっては、sakuraに宛てた歌詞みたいになっています。

というか、むしろsakuraからメンバーへの餞別のような。

この曲とともに去っていくって、何かとってもオシャレ。

やったことは全然オシャレじゃなかったけれど。