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過ぎゆく季節を惜しむ曲(10) 夏の終わり

森山直太朗「夏の終わり」

 

 

この手のテーマの曲としては最もベタなやつです。だけど、ベタだからこそ、やっぱり良いものは良い。

久しぶりに聴きましたが、やはり素晴らしい曲。

 

もしかすると、この曲ってサビしか聴いたことないよって人も多いかもしれませんけれど。

とりあえず、1番だけでも聴いてほしいな。

1A → 1B → 1サビ の流れが神がかってるから。

この部分の歌詞を聴いていると、走馬灯みたいな夏の記憶が見えるようです。

 

この歌詞は、詩というよりも、とても映画的。

印象的な、色とりどりの景色に彩られた1A。

雨が降っていて空が色を無くした1B。

そして、美しい過去の色を思い返す1サビ。

場面効果のインパクトが凄い。

映像が見えるようです。

 

音楽的には、ニロ抜き音階+三味線というのがとても効いています。

完全に沖縄音楽。

 

それとは主張しないけれど、

この曲って、反戦歌なんですよね。

圧倒的な力を前にしたときの、人の夢の儚さ。

この歌詞とこの音楽が混ざり合うことで、そこにひとつの意味が生まれる。

何かを主張するとき、そのやり方を間違えると作品としてつまらない、美しくないものになってしまうけれど、

この作品はそれをスマートに成していて、素晴らしい作品になっています。

この美しさは母親譲りなのかな。

 

この曲はいつかの「熱闘甲子園」のテーマソングでした。

終わらない夏なんてない。夏の終わりは平等に誰しもにやってくるけれど、でもあなたは美しい。

高校生たちへの、そんなメッセージソングでもありますね。

 

 

森山直太朗を初めて見たのは、20年以上前に原宿で開催されたオリコンのイベントでした。

5人くらいが出演していたのだけど、2番目に早々と出番を終えた彼は、ひっそりと客席に混じって、ノリノリで他の演奏を聴いていました。

柴田淳だか誰かの出番の際に、いつの間にか隣に居てびびりました。

その時から、彼の印象は、「音楽好きのめっちゃ良い奴」です。

 

音楽好きに悪い人は居ない。

まぁそりゃそうだよね。