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秋の夜長を彩る曲(9) 夜の公園

赤い公園「夜の公園」

 

 

ボーカルが変わることでここまで印象が変わるのか、って。彼らを見ていると驚きます。

前ボーカルの佐藤さんは、力強くて、良い感じに吹っ飛んだ歌声の持ち主でした。

激しい演奏と絡み合って、くるくると変転する万華鏡を覗き込んだような。そんなイメージのバンドだったんです。

 

今のボーカル、石野さんは、優しい声の持ち主。元アイドルだったということもあり、やわらかい印象の声です。

演奏の激しさは相変わらずなのですが、石野さんのボーカルを生かすためなのか、どことなく柔らかさを感じるようになりました。

 

どちらにも独特の魅力がありますが、私は今の赤い公園が好きです。

演奏の強さをふわりと受け止めるようなボーカルの姿に、ある種の美しさを感じます。

 

 

この曲は、友達だと割り切れない相手との関係性を描いています。

多分、佐藤さんがこの曲を歌っていたら、相手から無理やりに目を背ける主人公の姿が浮かんでいたのでしょうが、

石野さんが歌うと、思いっきり見つめているけれど相手がそれに気付いてくれない、そんな映像が浮かびます。

切実に、全力で見つめる視線の美しさ。

 

想いを伝える勇気を分けたら

私の分だけが無くなった

って、凄く良い歌詞。

共感できる人は多いだろうな。

 

でも本当に、新旧ボーカルの二人では世界観がまるで違う。

意地を張って素直になれない主人公と、

伝えるだけの勇気が持てない主人公と。

どちらに説得力を感じるかは人それぞれで、加入してすぐにここまでの存在感を放つ石野さんの凄さも強く感じます。

 

作詞・作曲は、他の大多数の曲と同様、ギターの津野さん。

赤い公園というと、やはりぶっ飛んだ感じのギターが印象的なのですけれど。

こうやって石野さんの声で聴いてみると、津野さんのソングライティングの凄さを感じます。

そういえば、石野さんが赤い公園に加入したのも、津野さんからの繋がりだったりとか。

改めて凄い人です、やはり。