クリスマスの街を彩る曲(2) CRAZY GONNA CRAZY
trfの冬の曲というと、まず「寒い夜だから…」が来るかもしれませんが、より冬に聴きたくなるのはこっち。
この曲のほうが楽しげで、クリスマスに向かう街の浮かれ具合をよく表してるから。
1994年の冬の曲ですけれど、まだ世間にはバブルの残り香があったのでしょうね。こういう曲が世界に満ちていた時代。
ダイヤを散りばめてるような
夜景を車から見てるよ
カラオケも飽きちゃった頃でも
腕に手を絡ませればゴキゲン
世界は希望で溢れていて、そんな与えられた希望なんて退屈。だからあなたとそれを埋める。
trfの他の曲を聴いても思うのですけれど、今の世の中じゃ絶対にこんな曲は生まれない。
90年代の文化遺産みたいな曲です。
だけど、今の世界の中でも、こういう曲を聴くと何故かテンションが上がるのは凄いこと。あの頃の手触りなんてほとんど知らないのに。
ある意味でタイムカプセルみたいなもので、小室哲哉って、時代を描くのが本当に上手い。
この曲の音色のキラキラ感と打ち込みのドラムパターンは、輝く都会の熱量を描くと同時に、冬の乾いた空気も描いています。
澄んでいて、深呼吸したら肺が凍るような空気。冬に流れていたこともあって、クリスマス前の楽しげな記憶とともに思い出します。
季節感のある曲ってとても強いよね。その時期が巡ってくるたびに聴きたくなる。
ところで、このタイトルの意味。
何なんでしょうねこれ。
英語を習ってすぐの頃は、「狂っていたら狂ったままだ」って訳していましたけれど、他に訳しようが無い気がする。
まぁ、調べてみると、CRAZYには「夢中」って意味もあるので、
『あなたにずっと夢中でいたい』って訳すのが美しいのかな。
小室さんの言語は全てを超越するので、文法とか意味みたいな些細なことに拘ってはいけないのだ。