クリスマスの街を彩る曲(7) I Saw Mommy Kissing Santa Claus
Jackson 5「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」
若き日のマイケル・ジャクソンが歌うクリスマスソング。
声変わり前の彼の声は、幼いけれども凄い安定感。あの声質でここまで完璧にメロディーを歌い上げるって、本当に凄い。
それに、ただ完璧なだけじゃなくて、例えば「Wow!」と騒ぐところには、こどもが期待されている無邪気さみたいなものが垣間見えて、そこがまた良いのです。
この辺りに、彼のエンターテイナーとしての才能みたいなものを感じます。
この曲自体は、ジャクソン5が歌うよりも20年くらい前に出ていました。
当時13歳の少年、ジミーボイドが歌う、ジャズの香りが漂う静かな曲。
ジミーのバージョンは、遊びがない、完全に構成されつくした曲でした。歌がうまいこどもがジャズを歌ったらこうなるっていう、お手本みたいな曲。
背伸びをした少年が大人の世界を垣間見る、そんな一面がクローズアップされていました。
まるで、大人向けの絵本みたいな世界観。
マイケルの功績は、こういう曲を、ポップで分かりやすい、誰しもに愛される曲に作り替えてしまったこと。
絵本とは、誰もが楽しめるものでしょう。そんな思想が見えるよう。
こども目線で見た、こどもの世界。
だけど、その完成度の高さは見る人が見ればよく分かる。
どちらのバージョンも、アートとして全く違う魅力を持っているんですよね。
いつまでもこどもの世界に居たかった。多分マイケルはそんな人。
このきらきらと美しいクリスマスは、彼の原体験だったのかもしれませんね。
楽しそうなのが伝わってくるから。
それにしても。
鉄琴とかトライアングルとか、そういうきらきらした金物の音って、クリスマスソングの定番だけど。
この時代の曲では既にそれが使われているんですよね。
これを最初にやりだしたのは誰なんだろう。それが気になっています。