雨の日に聴きたい曲(5) 新しいYES
Salyu「新しいYES」
Salyuの声はすごく好きです。
この曲は雨の向こうに見える景色を歌っているのですが、
雨の中で鬱々としているわけでもなければ、
雨のあとに見える虹を待っているわけでもない。
雨そのものをポジティブなものとして肯定しているのです。
雨は空から落ちて
全てを濡らして行った
新しいYESが光った
涙の向こう側に
光がこぼれていた
新しいYESと出逢えた
雨は景色を塗り替えてしまうから、
今まで見落としていた身近な美しさに気づかせてくれる。
雨それ自体がきらきらと輝いているし。
その原因がどういうものであれ、
見方や居場所や行動が変われば、今まで見えなかった美しさが見えてくる。
どんなに苦しい時でもね。
あとは、それを肯定するかどうかだけ。
この曲の凄いところは、
キーボードもドラムも、決してボーカルの引き立て役に甘んじていないところ。
どんどん前に出てきて、何なら自分がいちばん目立とうとしているくらい。
だけど、そんな中でもやはり、この曲はバンドサウンドではなくて、あくまでもSalyuの歌になっている。
それほどの存在感がある声です。
同時にまた、透明で伸びやかな、夏の空を思わせるような声。
この曲はSalyuにしか歌えない。
雨が降る中でも、晴れやかに伸びやかに。
今だからこそ輝く曲です。