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雨の日に聴きたい曲(13) 朝がまた来る

DREAMS COME TRUE「朝がまた来る」

 

 

この曲は何よりもイントロだと思うのです。

わずか2小節の鍵盤に、心をがっちりと掴まれてしまう。

 

自分の中で、この曲は、MISIAの「sweetness」と双璧を成す鍵盤イントロ曲です。

世界観が凄すぎる。

 

 

 

この感情が堰を切ったようなイントロから一転、明るいコードで跳ね回るようなスキャット

そして、

思いよ 逝きなさい

という不穏な歌詞。

絶妙に混じり合いマーブル模様の感情。

 

そして、明るいコード進行のままに時は流れる。

雨だって 晴れだって 願いは届かない あなたのいない朝は来るから

今は信号が変われば流される

というか、流されている。

 

誰も立ち止まらない 街頭のニュースにも 苛立った自転車にも

 

時の流れが早すぎるこの街で生きている限り、

立ち止まることは出来ない。

あなたがいない朝が来ても、大きなこの街では小さなことに過ぎないから。

だから、感情なんて忘れて流れていける。

このまま 流されていたい

 

そこまで感情を抑えめに歌っていたからこそ、最後のサビでの転調、感情の爆発が強く心に残ります。

不安定なコードで、叫ぶような歌。

雨に打たれたい 晴れなら焼かれたい

 

 

本当は日々に流されて生きていたいのだけど、

ふとした瞬間に感情は溢れてしまう。

冷たい雨の滴が涙に見えた

例えば、それは空を見上げたとき。

雨が落ちる傘越しに空を見上げると、人も街も何もかも見えなくなる。

ぽっかりと開いた景色は、自分の中身と似ている。

 

その瞬間の感情の激しさを描いた、強い力を持った曲です。