過ぎゆく季節を惜しむ曲(8) Point of No Return
CHEMISTRYは、過去に一大ムーブメントを巻き起こしたオーディション番組「ASAYAN」で結成された2人組です。
ASAYANでは、他に、あの勝俣亜依子や平家みちよが見出されてデビューしたのです!!!
……誰やねんって感じるかもしれませんが、
勝俣亜依子は加藤ミリヤに勝って合格、
という凄まじい経歴です。凄いんだぞ。
CHEMISTRYが選ばれた回も、現・旧EXILEの佐藤篤志やらネスミスやら清木場俊介とか、AAAの浦田さんとか、今となっては凄いメンバーが勢揃いしていました。
そんな人たちに勝っての結成でした。
CHEMISTRYの二人の相性って、物凄い。見た目は全然似ていないけれど、声質がかなり似ているんですよね。
特に高音の伸び方。細かいビブラートが空に溶けていくような高音です。
だけど、細かい味付けは真逆。
正統派の、王子様的な堂珍さんと、
ワイルドで男っぽい川端さん。
寄り添うように重なりながら、少しずつ離れていくハーモニー。お互いを見つめる視線の重力みたいなものを感じます。
だけど根本的には重なり合わない性質の声なので、一つになることが出来ない。
そこに彼ら独特の物悲しい空気感が生まれるように感じます。
夏草が流れてく じゃれ合っているように絡んで
気がつけば遠く引き裂かれ 終わらない旅を続ける
大サビのこの歌詞は、まさにCHEMISTRYそのものといった趣です。
彼らの化学反応は終わらない。
そして、この曲もまた日本独特の、透明感に満ちた歌謡R&B。
ひとつの音楽ジャンルと言っても良いんじゃないかな。これは凄い発明です。