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夏の日に聴きたい曲(20) Grateful Days

Dragon Ash featuring Aco, Zeebra「Grateful Days」(1999年)

 

 

こんな時期だからこそ、久しぶりにこの曲を聴きたくなります。

 

Misia, 宇多田ヒカルとともに、ヒップホップ文化を日本に根付かせた代表的な曲です。

この3組に共通するのは、ヒップホップに限らず、ブラックミュージックやロック、あるいは歌謡曲といった様々な要素をミクスチャーした、

ヒップホップのアングラ感が排された音楽を演奏すること。

こういうところに端を発しているから、日本で売れるヒップホップって基本的にミクスチャーロックなんですよね。

KICK THE CAN CLUEからSOUL' d OUT、Creepy Nutsに至るまでそんな感じ。

 

俺は東京生まれHIP HOP育ち

悪そうな奴は大体友達

 

という、おそらく日本のヒップホップシーンで最も有名なフレーズもここで生まれました。

この辺りのフレージングの巧さはさすがZEEBRA、といったところです。

しかも、フレーズの分かりみの深さが凄い。

 

悪そうな奴と大体同じ

 

って言ってるし。

 

マジ嫁に迷惑かけた本当に

って言ってるし。

あれ? 言ってない? 言ってたような気がしたんだけど…

 

kjを公開処刑してから18年も経ってから、まさかの倍返し公開処刑を受けるというオチ付き。

ZEEBRAさんもエンターテイナーだなー…

 

 

この頃のkjはZEEBRAへのリスペクトのかたまりみたいな感じで、

多分、この二人だけでは師匠と弟子のコラボレーションのような感じになってしまってつまらない曲になっていたのですが、

ここにAcoが入ることで、一気に曲は表情を変えます。

Grateful Daysっていうタイトルに説得力が出る、包容力のある声。

この声が作品全体に静謐な美しさを与えているんですよね。

女神の前で懺悔するラッパー二人、みたいな構図にすら見える。

 

 

でも確かに、この曲にタイトルを付けるなら「真っ昼間」だよね、とも思ったり。

その辺はZEEBRAさんの言う通りなのかも。

 

様々な大人の事情で封印されてしまった曲ですが、いずれどこかで演奏してくれたら…とも思います。

色々な意味で、勿体ないことです。