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夏の日に聴きたい曲(22) survival dAnce

trfsurvival dAnce 〜no no cry more〜」(1994年)

 

 

trf最高のダンスミュージック。

音楽的には特に語ることもないのですけれど、謎の魅力に満ち溢れた曲です。

 

音楽作品の力とか技術とか。そういうのは今も昔もほとんど変わらないと思うのですが、

少なくとも、この曲は2020年の現代で作ることは不可能です。

良い意味でも悪い意味でも、こんなに何も考えていない曲って。バブルを引きずった90年代の、あの独特の空気の中じゃないと作れない。

リアルタイムでそれを経験したわけではないのですけれど。

 

そもそも、サビの歌詞が、

yeh yeh yeh yeh yeh wow wow wow wow yeh yeh yeh yeh yeh wow wow wow wow yeh yeh yeh yeh yeh survival dAnce! Survival dAnce! trial dAnce!

って。

 

trial dAnceって何だ。

そもそも、何故Aだけ大文字なんだ。

当時、そんなことを気にする人なんて誰も居なかった。

 

明るさを装った中から漏れ出る悲しみとか、

踊ることで現実を忘れられるとか、

そういう、意味のあることは一切考えない。

頭を空っぽにして、ただ踊れば良いのだ。

 

 

村上春樹はこう書いていた。

踊るんだよ。音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言ってことはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃ行けない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。

 

小室哲哉は、ある意味で悟りを開いていたのかもしれない…

 

この「survival dAnce」は、伝説のディスコであるジュリアナ東京が閉店する際のラストナンバーとして選ばれた曲でもあります。

名実ともに、この曲は時代そのものだったんですね。

 

 

個人的には、この曲。

音楽好きになるきっかけの曲でした。

小学生の頃、なにかの時にめちゃくちゃ聞かされたんですよね。

その時に謎の魅力に取り憑かれて、ラジオを聴き始めたり、図書室に何故か常備されていたオリコンを読みあさってみたり。

 

音楽って、響きは似ているけれど文学とは全く異なるもので。

楽しむことが前提なんですよね。学ぶものではない。

何だかんだで楽しい曲が好きなんですよね。この曲を聴くたびに実感します。