過ぎゆく季節を惜しむ曲(4) サンキュ.
DREAMS COME TRUE「サンキュ.」
過ぎゆく季節と花火の曲、その2。
ドリカムの曲の中で、いちばん好きです。
彼らの曲は、情景描写がとても上手い。
映像が容易に想像できます。
暗い公園の片隅、暖色系の火を吹き出す花火を持って走る。
光の軌跡がふわふわとたなびく。
公園での花火というのも良いです。
実際にやったら絶対に怒られるけれども、ちょっとくらいいいじゃん、という自由さ。
そう、この曲に通底している情景は、「自由さ」です。
彼氏と別れたけれども、その外の世界にはもっと素晴らしい自由があった。
こんなに素晴らしい友達もいるし。って。
彼氏は別れたら終わりだけれど、友達はずっと残るもの。
サウンド面での自由の表現も面白いです。
この曲、実はベースが居ないんですよね。
低音の楽器って、拍の頭にいるバスドラムだけ。
このドラムも、バスドラ→スネア2連 って、上向きの視線を思わせるリズムが最初から最後までずーっと続いている。
無理やり上を向こうとしているみたいで、少し痛々しいけれど。
ギターはハープみたいな不思議な音色で、ずーっとボーカルと同じような中音域をならしています。
特に曲が展開する時にブリッジ的な役目を果たしていて、二人をつなぐ暖かな空気みたい。
演奏としてはシンプルだけど、とても印象が強い。
特にCメロ直前が一推しです。短いけれども、これが無いと曲として成り立たない。
全てに無駄がなく、女子二人の自由な夜の美しさが際立っています。
過ぎゆく季節を惜しみながらも、変わらずに歩き続ける強さを感じられる曲です。