夏の夜に聴きたい曲(10) ラブホテル
クリープハイプ「ラブホテル」
(途中までのショートバージョン)
クリープハイプは、一聴しただけで疑いようもなくクリープハイプなのが素敵です。
尾崎さんの癖のある、個性のかたまりのようなファルセットも独特ですが、
ギターも個性的で凄い。
何というか、楽器隊って普通はボーカルと同じ方向を向いた音作りをしていると思うんですよね。もしくは、同じ方向を向こうと努力する。
だけど、このギターは、正直、どっちを向いてるのか分からない。
ボーカルの後ろで、しれっと、さらに美しいメロディーを奏でていたりとか。
この空気を読まない感じ。
これが楽曲に奥行きを与えているんですよね。
ボーカルを引き立たせるだけが楽器の役目ではない。
この曲においても、サビでのギターリフがやたらと耳に残る。
それと絡み合うように
夏のせい 夏のせい
ってボーカルのリフも乗ってくる。
これがずっと耳に残る、存在感のある曲です。
出会ったあの日は103です
それからの毎日は307です
別れたあの日は403です
って、一聴するとしょうもない歌詞なのですが、
よくよく考えてみると、
毎日307って、凄く不自然。埋まってる時だってあるでしょ。
じつは、この歌詞で語られる時間のほとんど全てはラブホテルではないんですよね。
相手の部屋なのか自分の部屋なのか。
だけど、最後だけはまたラブホテルに戻る。
すっごい距離感。
この短い歌詞の中で、そんな情緒も描くことが出来る。
そう考えると、何か趣がある歌詞です。
こんなタイトルだけど凄い。