夏の夜に聴きたい曲(22) SHALLOW SLEEP
HYDE「SHALLOW SLEEP」
【sportify、原曲】
【YouTube、アコースティックライブ】
HYDEのソロ活動、比較的初期の作品です。
それまでのソロ作品は静かな曲ばかりであり、この曲で初めてバンド編成となりました。
「ラルクでやっても良かった」とHYDE本人が言っていたとおり、何故これをラルクでやらないのかと悲しんだものです。
ストリングスも盛り盛りなので、曲としてはもう完全にラルクだし。
まぁ、あの頃は、色々な大人の事情がね…
今となっては、HYDEソロでHONEYを演奏したりと、結構自由度が高くなっている印象なので、
ラルクでやるなら今でも全然遅くないと思うんです。
この曲をあのリズム隊がどう料理するのか、気になって仕方ない。
HYDEのソロ作品の中では、圧倒的にこの曲が好きです。
タイトル通り、浅い眠りの中で見る夢を描いた曲なのですが、
夢の中、時間や空間を平気で飛び越えてみたり、
孤独感や焦燥感、喜びや悲しみや情熱みたいなものがごちゃごちゃになっていたり、
地から足が離れた、一種、幻想的な風景を味わうことが出来るんですよね。
それは曲の構成もさることながら、やはりHYDEの声によるものが大きいのかもしれません。
この頃のHYDE特有の声。真実と幻想とを自在に紡ぐような声が、ともすれば実体のない空気みたいになりそうなこの曲に強い説得力を与えているのではないでしょうか。
そういう意味では、味付けが濃いラルクの演奏ではなくて、こういうプレーンな演奏が合っているのかもしれません。
HYDEの歌にフォーカスするために。
演奏はラルクの強力さとは違うけれど、世界としてはこれで完成している。
作品を作るって、色々なアプローチがあるんですね。