夏の日に聴きたい曲(9) Teenager
mol-74「Teenager」(2019年)
mol-74の一番の良さは透明感のある声。
「▷(Saisei)」の時にも書きましたが、楽器隊の3人はボーカルの声をいかに美しく彩るかを考えているんですよね。
3人とも、ボーカルの声を凄く好きなのが伝わってきて、とても良いです。
この曲は、mol-74には珍しい夏の曲。
そういえば、他に夏の曲って無かったような。
彼らには冬から春にかけての美しさがよく似合います。
この曲に夏の温度を与えているのは、何よりも井上さんのギターです。
彼の伸びやかなクリーントーンが、ボーカルと一緒に、まるで背中合わせにきらきらと降り注ぐよう。夏の青空みたいな、爽やかなギター。
そして坂東さんのドラムも、普段の繊細な音から一歩踏み出した、エネルギッシュな音になっています。
2拍4拍にスネアが入る、ゴーストも16分休符もない「普通の」8ビートって実はmol-74であまり使われていないのですが、この曲に関しては、その初心者でも叩けそうなパターンがとても良い味を出しています。
溢れるエネルギーに流されるまま、そんなドラムに、確かにTeenagerにふさわしい若々しさを感じるのです。
この曲は(SMEに移籍してから、すべてのMVがそうなのですが)MVの色使いも美しい。
この映像の透明感も相まって、とても美しい、現在進行形の夏が描かれています。