夏の日に聴きたい曲(14) DESTINY
My Little Lover「DESTINY」(1998年)
竹之内豊が出演していたTVドラマ「WITH LOVE」の主題歌でした。
あのドラマ、めっちゃ好きだった。
竹之内豊が有名な作曲家を演じていて、ピアノ曲がドラマに絡んでくるんですよね。
音楽モノのドラマや映画にハズレ無し。
↑こういう曲がありました。
once in a blue moonとか、懐かしすぎる。
竹之内豊から間違いメールが届くところから始まる物語。
現代だったらほぼ100%の確率で迷惑メールです。
「DESTINY」について。
My Little Loverの曲といえば「Hello, Again」が最も有名ですが、確か、いちばん売れたシングルは「DESTINY」でした。
タイアップ効果もあったとは思いますが。
けれど、楽曲的にも凄い力を持っているんですよね。
やっぱり、この曲の一番の凄さは、他のボーカルには決して歌えないこと。
akkoの声が乗ることで、初めてこの独特の切なさ、届かない空を見上げてぼんやりと手を差し出すような風景になるのです。
例えば宇多田ヒカルが歌っても形にはなると思いますが、やはり、ぽっかりとした空は描けない。
ボーカルの力を生かし切った、作品と媒体が極限まで高め合った凄みを感じるんですよね。
小林武史は様々なアーティストのプロデュースをしてきたのですが、彼の本質は孤独の描き方にあるのだと思います。空みたいに美しい孤独。
そういう意味でも、マイラバとSalyuが双璧だと思っています。ぽっかりと開いた穴を描くのがとても上手い。
この「DESTINY」でもう一つ印象に残るのはストリングス。
サビ〜間奏部分で入ってくるのですが、
特に間奏部分でメインに躍り出る、この旋律が美しい。もうこれだけでも一曲作れるのではないか…
ストリングスを入れることで音をリッチにするってのはJ-POPでよく使われる手法ですが、
作品の主役の一人としてこんなにも印象深い、こんなにも腑に落ちる使い方をしている曲ってあんまり無いと思うのです。
小林武史プロデュースには色々と思うところもあるのですが、音作りの能力は素晴らしいものがあると思います。
そして、こんな凄い曲がしれっと転がっている、1990年代後半の凄さも感じますね。