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秋の夜長を彩る曲(6) 銀河

フジファブリック「銀河」

 

 

凄い曲です。何かもう、凄いとしか言いようがない。

彼ら特有の、どこを向いてるんだかよく分からない曲です。

ただ、向いてる方向は分からないけど、進もうとするエネルギーは凄い。

 

どこを目指しているのか、演奏している4人も分かっていないような気がするんですよね。

ただ、それぞれが持てる力を最大限に使って見たことのない場所に行こうとしている。

 

ある意味では不協和音みたいな感じ。

それぞれがそれぞれのやりたいことを全力でやった結果、王道から離れた、絶妙なダサさみたいなものが生まれています。

だけどそれって、ストレートに格好良い曲には到達し得ないフックだったり、底知れない深みだったり、何か凄まじいもので。

聴いてると脳内から離れなくなる。

 

この、訳の分からないパワーが魅力です。

 

U.F.Oの軌道に乗って

あなたと逃避行

夜空の果てまで向かう

この曲を聴いていると夜空の果てなんて平気で到達できる気がしてきます。

いろんな意味でぶっ飛んだ曲。

歌詞と曲の世界観がこんなにぴたっと一致する曲も無いかもしれません。

あとMVも。

この曲にあの映像をあてようとした人は神ではないか…

 

でも、何よりぶっ飛んでいるのは、Cメロで唐突に発生する転調ではないでしょうか。

無ければ無いで成り立ちそうな転調が、3:46から10秒の間に2回。

何という滅茶苦茶な展開。

 

きらきらの空が

ぐらぐら動き出している!

確かな鼓動が膨らむ

動き出している!

という歌詞での転調です。

本来動かなくても良かった曲の展開が膨らむ、動き出している!

 

そして聴いている人はU.F.Oの軌道に乗って夜空の果てを見ることになるのです…

 

 

この曲を聴いて感じるのは、街に象徴される現実から抜け出そうとする意志の強さ、脚力の強さ。

逃げ出した二人は空ばかり見ている。

理想の場所が地上に無いのであれば、必要なのは逃げ足じゃなくてジャンプ力。そんなことを感じます。

手を引いてくれる力強さを持った曲です。